〜essay No.14 ”テクニックの本質”〜
心理学に携わっていると話すとよく言われることがあります。
「人の心読めるんでしょ?」「モテるテクニック教えてよ」
実際にこのことを本当によく言われます。(笑)
そして心理学は本やインターネットなどでもどうしても
テクニックやハウツーの材料として使われることが多いなと感じます。
特にビジネスの世界では戦略やフレームワーク、モデルといった
いわゆるテクニックやツールを目的を達成するために使っていく
といった思考がとても多いために、心理学も大いに活用されます。
ただ目的を果たすためにテクニックを使う、という流れには
違和感を感じてしまうのです。
例えばカウンセリングの場でもいわゆるテクニックは存在するのですが、
実はクライアントにとって最善のカウンセリングができた時に
テクニックと言われているものが自然と使われていた。
というのが目指すべきカウンセリングだと言われています。
つまり、
”目的を果たすためにテクニックを利用する”
のではなく
”目的を果たせたらテクニックが出てきた”
というのが、テクニックの本質なのではないかなと思うのです。
もちろん形から入ったり、とりあえずテクニックを試してみて
目的に近づくというのは良い方法の一つです。
ただ、テクニックを使えば目的を達成できると思ってしまうと
相手には計算が伝わってしまい、うまくいかないということも実は多かったりします。
心理学に携わっていると、人間は思った以上に言葉にならない細かな心の動きを
察知するのだなと実感します。
なんだか通り一遍の言葉に聞こえてしまうかもしれませんが、
結局は心から相手に接していかないと表面的な計算のテクニックだけでは
相手の心を動かすことはできないのだと思うのです。
さて、
冒頭で心理学に携わっていると
「人の心を読めるんでしょ?」
と言われるというお話しをしました。
これ、実は確かに高い確率で読めることが多いです。(笑)
でもそれはあくまでも相手と真剣に向き合って、しっかり話を聴き、
受け止めた時のこと。
やはりこちらがしっかりと自分に嘘偽りなく相手と接すると
人は通じるのだなということも心理学を学ぶたびにわかっていったことです。
綺麗事に聞こえるかもしれませんが、
テクニックや表面的なことばかりにとらわれるのではなく、
恥ずかしかったり、かっこわるかったりしても
素の自分でぶつかっていくことが一番のゴールへの近道かもしれません。
0コメント