〜essay No.12 ”どこでも求められるやりくり力”〜
変化が激しいこれからの社会では、どこでも求められる能力が必要だと言われます。
では、どこでも求められる能力とは一体どんな力なのでしょうか。
それは自分でやりくりする力、”やりくり力”だと私は考えています。
やりくりと言えば、お金を思い浮かべていただくとわかりやすいのではないでしょうか。
毎月の決まった収入で生活をやりくりする、そういう力です。
例えば、月10万円の収入で支出が10万円であれば
やりくりできていると言えるわけですが、
月100万円の収入で支出が110万円であれば
それはやりくりできていないということになるわけです。
つまり、”やりくり力”には量は関係ありません。
しっかりと一定の範囲内でまかなうことができるかというところが問われるのです。
私たちは便利な世の中で、もらうこと、与えてもらうことばかりを
求めてしまいがちな気がするのです。
感情もそう。
自分の感情は自分の中でやりくりできるはずなのですが、
それを他人にどうにか対応してもらおうとしてしまう。
様々な感情も自己コントロール、つまり自分でやりくりできると
様々なことを冷静に対処できます。
教育や経済、仕事、様々な面で私たちはたくさんのサービスを受けてきました。
すっかり受け身であることに慣れてしまっていて、
もらえないと文句が出てしまう。
他人に何かしてもらうことばかりに目がいってしまい、
自分のできる範囲の中で工夫をして、やりくりすることが鈍ってしまっています。
でも私たちは思っている以上にたくさんの工夫ができるはずなんです。
以前、レジリエンスのお話をしましたが、まさに私たちの体に
自然治癒力、つまり”やりくりする力”が備わっているのです。
それこそが変化の激しいこれからの社会を生き抜くために、
変化に対応していくために必要な力なのではないでしょうか。
何かうまくいかなくなったら、一旦自分にできることはないか
他に何か工夫できる余地はないか、ほんの少し立ち止まって足元を見ることで
”やりくり力”は高まっていきます。
周囲がどれだけ変化しても、自分の対応力が一番の味方になってくれるかもしれません。
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