心の自然治癒力ーレジリエンスとはー

最近、メディアなどでも見聞きするようになりましたが

今日は"レジリエンス"についてお話ししたいと思います。


レジリエンスとは元々、"跳ね返す力"といった意味で、

力が加わって歪んでいる状態を跳ね返す弾力のようなものを意味する言葉です。

心理学では「回復力、修復力」のようなことを意味します。

レジリエンスの対義語はストレスです。

つまり、ストレッサー(ストレスを与えるもの)によって心に負荷がかかった

状態からレジリエンスによってストレスを跳ね返し、心を修復するのです。


人間にはこのレジリエンスが備わっていて、様々なストレスがかかっても

再び元の状態に戻ると言われています。

レジリエンスは心の自然治癒力なのですね。


レジリエンスについては様々な研究がなされており、どうしたらレジリエンスを

身につけるかがよく議論されていますが、実はそもそも人間には備わっている力だと

考えられています。

つまり、持っていない能力を取得するのではなく、持っている力に目を向けて

みるという意識が大切なのではないでしょうか。


擦り傷などと同じように修復するには時間がかかります。

心のレジリエンスも同様です。

ある程度の時間を必要とします。

我慢や無理は禁物ですが、自分の中にはもともと回復力が備わってるのだと思うだけでも、

少し気が楽になったりしますし、すぐには治らなかったとしてもきっと今は回復の時

なのだと 自分自身を見つめてみると楽になる場合もあるかもしれません。


ただ、先ほどの擦り傷でもそうですが、あまりにも大きな傷や多くの傷の場合に

自然治癒力では足りない状態となり、治療が必要になる場合がありますよね。

心も、あまりにも大きすぎるストレスや多すぎるストレスに対して、

レジリエンスでは対応しきれず専門家による対処が必要になる場合もあります。

ストレスによってあまりにもつらいと感じる時や何かいつもと違うなと感じた時は

レジリエンスで対処できる量を一時的に超えているのかもしれませんので

無理なさらず、周りの方や専門家などにご相談ください。


どうしてもストレスという言葉があまりにも頻繁に飛び交っていて

ストレスばかりに目がいってしまいがちですが、

ストレスを受けている度に働いている自分の中の レジリエンス機能にも

意識してみてください。

どんな時にストレスからの立ち直りが早い、つまりレジリエンスが活躍しているか

もしかしたら傾向が見えてくるかもしれません。

ご自身の中にあるレジリエンスの傾向を観察することが

レジリエンスを高めることにもつながる鍵となるかもしれません。



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〜心理カウンセラーによるストレスマネジメント術〜