〜essay No.9 ”ロールモデルなんていらない”〜

様々な働き方や多様性について議論されることが増えてきました。

以前は非常に働き方ということに関して画一的でしたので

様々な職場環境が議論されること、考えることは重要だと感じています。


そんな議論の中でよく話題に上るのがロールモデルです。

流行りの"活躍"している人をピックアップして、ロールモデルとして

マスコミで紹介されるということが最近、多いと感じます。

タイトルにあるように、(ちょっと強めのタイトルになってしまいましたが…)

正直ロールモデルなんていらないのになぁと私は思ってしまうのです。


理由は3つ。

1つ目はそもそも一人一人置かれている職場環境や家庭環境などが異なるために

ロールモデルを作ったとしても、そのロールモデルと同じ人は一人としていないので

あまり意味がないのでは、というものです。

確かに共通点などはあるのかもしれないですが、ロールモデルがまるでお手本のように

理想像として示されると、果たしてその理想像になれる人は他にいるのだろうかと

思ってしまいます。

なるほど〜こんな人もいるのだな、というくらいに参考にとどめておけばいいのですが…。


2つ目はロールモデルと比較して、不必要な劣等感や不満を抱いてしまうから

という理由です。

ロールモデルという言葉はどうしてもまるでお手本のような意味に捉えられがちですよね。

するとそのロールモデルと自分をつい比較してしまうことも多いのではないでしょうか。

本来なら、人はみんな違うのですからそれぞれの働き方があっていいはずなのですが

ロールモデルを作ることで、感じなくてもいいような劣等感や不満を引き起こして

しまうことがよくあるのです。

”あの人はあんなに輝いているのに、どうして自分はこんなことができないんだろう”とか

"あの人の家族はすごく協力的なのに、自分の家族は全然協力してくれない"とか。

みんなそれぞれ自分の環境で努力しているのに。

ロールモデルを作ってしまうことで不必要な劣等感や不満を持ってしまうのは

なんだかもったいない気がします。


最後はロールモデルを模倣しようとして、自分の考え方やポリシーを弱めてしまうから

というものです。

ロールモデルがまるで正解のように思ってしまう。

人はそれぞれ自分の人生しか生きられないので、やはり最後は自分でいろんなことを

決めていかなければなりません。

もちろん魅力的な人のようになりたいと思うことは素敵なことだと思うのですが、

やはりここも参考にする程度にしないと、どんどん自分をなくしてしまいそうです。


ロールモデルより大切なこと。

それはやはり自分自身の人生を生きることなのではないでしょうか。

どんな人もそれぞれの事情があり、それぞれの環境の中で生きています。

新しいことが増えたり、変化があると人は不安です。

そんな時に新しい型を作って、その型にはめようとする。

だから、ロールモデルが頻繁に取り上げられるのかなと思います。

人生のロールモデルはいつだって自分自身だと、私は考えています。

様々な人の話を聞きながら、”あ〜そんな人もいるんだなぁ”くらいにしたいものですよね。